水素はダイエットにも関係する?最新研究でわかってきたこと

この記事を書いた人
スイリサ管理人 KON(一般財団法人日本分子状水素普及促進協会個人会員/一般社団法人水素健康推進協会認定 水素健康インストラクター )
子供のころから敏感体質・虚弱体質に苦しんできたのですが、水素と出会ったのをきっかけにして体質がかわり、毎日をフルに活動できるようになりました。
そこから水素の医学研究や様々な製品にも興味を持つようになり、一般社団法人水素健康推進協会認定講師『水素健康インストラクター』の資格をとるまでになってしまいました。
水素についての情報サイト「スイスピ」(https://suiso-spirit.jp/)運営。

「水素でやせる」という表現は、現時点の科学的根拠からは言いすぎです。

ただ、

  • 体脂肪の代謝
  • 食欲に関わるホルモン
  • 腸内細菌

といった、ダイエットと深く関係するテーマで、水素との関連を示す研究が近年着実に増えています。

この記事では、現在どのような研究が行われていて、何がわかってきているのかを、論文をもとに整理してみます。

YUIさん

水素で痩せれたら嬉しいんだけどね。

目次

水素がダイエットと関係するかもしれない理由

水素(分子状水素・H₂)の主な作用として知られているのは

「選択的な抗酸化作用」

です。

活性酸素の中でも特に有害な種類(ヒドロキシルラジカルなど)を選択的に除去することで、「酸化ストレス」をやわらげるとされている性質ですね。

肥満と酸化ストレスの関係

肥満との関係で言うと、肥満状態では体内の酸化ストレスが慢性的に高まっていることが知られています。※3

脂肪が増えると、脂肪組織から「炎症を起こす物質」(炎症性サイトカイン)が分泌され、これが全身の代謝を悪化させ、「さらに脂肪がつきやすくなる」という悪循環を引き起こすんですね。

YUIさん

脂肪がつくとさらに脂肪がつきやすくなるのね・・

水素による酸化ストレスの軽減が、この悪循環に介入できる可能性がある——というのが、研究者たちの出発点の仮説です。

マウス実験から始まった:FGF-21の発見(2011年)

水素とダイエット関連の研究の出発点として、2011年に発表された日本医科大学チームの動物実験があります。※1

その内容を簡単にまとめると以下のようになります。

  • 糖尿病・肥満モデルのマウスに水素水を長期摂取させた
  • 同じ食餌量にもかかわらず、水素水を摂取したマウスは内臓脂肪・皮下脂肪ともに蓄積が少なかった
  • 水素水を摂取したマウスでは、肝臓から分泌されるホルモン「FGF-21(線維芽細胞増殖因子21)」の分泌が促進されていた
YUIさん

水素水を飲むと内蔵脂肪・皮下脂肪がつきにくくなったのね。

水素水を摂取したマウスで分泌が促進されていた「FGF-21」は「飢餓シグナル」としてはたらくホルモンで、

「飢えそうなので、体内に保存してある脂肪を使おう!」

とばかりに、脂肪細胞に燃焼を促す作用を持っています。

管理人KON

つまり、水素水摂取によって脂肪燃焼が加速する可能性がしめされたわけですね。

この研究はあくまで動物実験であり、人間への直接的な適用は保証されません。ただし「水素が脂肪代謝に関わるホルモン分泌に影響を与える可能性がある」という仮説の土台として、現在も引用され続けています。

ヒトを対象にした臨床試験:水素水でGLP-1が上がった(2025年)

また2025年には、「HYDRAPPET試験」と名付けられた、ヒトを対象としたランダム化比較試験の結果が発表されています。※2

試験の概要

  • デザイン:ランダム化プラセボ対照二重盲検試験(最も信頼性の高い研究デザイン)
  • 対象:肥満者36名(平均年齢42歳・平均BMI 30.8)
  • 介入:水素水1L/日(水素量15mg)を8週間摂取。1日3回、食前に333mLずつ
  • 対照:見た目・味が同一のプラセボ水
YUIさん

水素水を8週間飲んで、プラセボ水と比較したのね。

主な結果

測定項目水素水群の変化有意差
GLP-1(血中濃度)有意に増加p=0.05
食欲スコア7.4点改善(対照:1.3点)p=0.05
総コレステロール0.32mmol/L低下p=0.02
LDLコレステロール0.21mmol/L低下p=0.04
主観的睡眠の質改善p=0.05
体重・体脂肪率男性で減少傾向のみ有意差なし

試験を通じて、水素水を飲んだグループには

「食欲スコアの増加」
「コレステロールの低下」
「主観的睡眠の質の改善」
「GLP-1の有意な増加」

が見られました。

GLP-1とは——なぜこれが注目されるのか

この中でもダイエットとの関連で注目なのは「GLP-1の有意な増加」です。

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、主に小腸から分泌されるホルモンで、

  • 食後の血糖値上昇をゆるやかにする
  • 脳の満腹中枢に作用して食欲を抑える
  • 脂肪細胞の代謝に好影響を与える

といった働きがあります。

近年、「オゼンピック」「ウゴービ」などのGLP-1受容体作動薬が肥満治療薬として世界的に話題になっています。

これらは外から注射でGLP-1様の作用を起こす薬ですが、HYDRAPPET試験は水素水の摂取によって体内でのGLP-1分泌自体が増える可能性を示したわけですね。

YUIさん

すごい!

ただし36名・8週間という小規模な試験です。
また「GLP-1が増えた」と「体重が減った」は別の話でもあります。現時点では「可能性を示した」段階であり、今後のより大規模な研究による検証が必要です。

なぜGLP-1が増えるのか:腸内細菌を介したメカニズムの仮説(2025年)

さらに2025年に発表されたレビュー論文では、水素が代謝に与える影響のメカニズムについて、以下のような仮説が提示されています。※3

PGC-1α → イリシン → 脂肪代謝

まず、水素がPGC-1α(ミトコンドリアの生合成を調節するタンパク質)の活性を高めることで、イリシンというホルモンの産生が促進されます。

イリシンは2012年に発見された比較的新しいホルモンで、「運動によって分泌される」ことで知られています。

脂肪細胞・筋細胞の代謝を活性化し、肥満・インスリン抵抗性・脂肪肝に対して保護的に働くとされています。

腸内細菌 → 短鎖脂肪酸 → GLP-1

さらに水素は腸内細菌叢にも正の影響を与え、短鎖脂肪酸(酪酸・プロピオン酸)の産生を促します。

この短鎖脂肪酸が腸のL細胞を刺激することで、GLP-1の分泌が促進されます。

このレビュー論文は実験論文ではなく「提案型の総説」です。メカニズムの仮説として整理されたものであり、直接の証明ではありません。

血中脂質への影響:8件のRCTをまとめたメタ分析(2024年)

続いてもうひとつ論文をみてみましょう。

2024年に発表されたシステマティックレビュー&メタ分析では、代謝障害を持つ患者を対象にした8件のランダム化比較試験(計357名)を統合して分析しています。※4

対象となった疾患は2型糖尿病・非アルコール性脂肪肝・高コレステロール血症・メタボリックシンドロームなどです。

指標傾向統計的有意差
中性脂肪(TG)わずかに低下なし
総コレステロール(TC)わずかに低下なし
LDLコレステロールわずかに低下なし
HDLコレステロールわずかに低下なし

こちらの論文によると、全体的に「改善傾向はあるが、統計的に有意とは言えない」という結果でした。

現時点での限界と、今後の研究

ここまでみてきた、水素とダイエットの関係を示唆する研究全体を振り返ると、おさえておきたいいくつかの重要なポイントがあります。

  • サンプル数が小さい:HYDRAPPET試験は36名、メタ分析も357名にとどまります
  • 体重そのものへの効果はいまだ不明:「GLP-1が増えた」「食欲が下がった」と「体重が減った」は別の話です
  • 摂取方法・量が研究によってバラバラ:水素濃度・摂取量・期間が統一されておらず、研究間の比較が難しい
管理人KON

有望な結果もでていますが、まだまだ「水素にダイエット効果がある!」とは言えない段階です。

2025年5月現在、過体重・肥満の青少年を対象に「体重減少プログラムへの分子状水素の上乗せ効果」を検証する臨床試験(NCT06961110)が進行中です。今後の結果が注目されます。

まとめ

以上、今回は「水素とダイエットの関係」を示唆する研究についてまとめてみました。

内容を簡単にまとめると、以下のようになります。

スクロールできます
問い現時点の答え
Q.水素でやせる?「効果がある」とは言えない。
Q.代謝との関係を示す研究はある?ある。GLP-1・FGF-21・腸内細菌を介したメカニズムの可能性が提示されている。
Q.ヒトでの臨床試験は?ある(HYDRAPPET 2025)。食欲・GLP-1・血中脂質に改善傾向。ただし研究規模は小さい。
Q.「ダイエット目的」に使える?単独の手段として位置づけることは現状の研究では支持されない。

「水素はダイエット効果がある」とは言えませんが、

「体脂肪の代謝・食欲調節・腸内環境といったダイエットと関係する複数の生理的プロセスに影響を与える可能性がある」

という状況は、研究として積み上がってきています。

今後、より大規模な臨床試験が行われることで、どの程度・どんな条件で・どんな状態の人に効果があるのか等が明らかになっていくといいですね。


参照文献

※1 Ohsawa I. et al. (2011). Molecular hydrogen improves obesity and diabetes by inducing hepatic FGF21 and stimulating energy metabolism in db/db mice. Obesity. PubMed

※2 Ostojic SM. et al. (2025). The Effects of 8-Week Hydrogen-Rich Water Consumption on Appetite, Body Composition, Sleep Quality, and Circulating Glucagon-like Peptide-1 in Obese Men and Women (HYDRAPPET): A Randomized Controlled Trial. Medicina. Medicina

※3 Todorović N. et al. (2025). Role of molecular hydrogen in obesity treatment: modulation of GLP-1, irisin, and PGC-1α for improved metabolism. Medical Gas Research. PMC

※4 Aliasghari F. et al. (2024). The Effects of Hydrogen-Rich Water on Blood Lipid Profiles in Metabolic Disorders Clinical Trials: A Systematic Review and Meta-analysis. International Journal of Endocrinology and Metabolism. PMC

この記事を書いた人
スイリサ管理人 KON(一般財団法人日本分子状水素普及促進協会個人会員/一般社団法人水素健康推進協会認定 水素健康インストラクター )
子供のころから敏感体質・虚弱体質に苦しんできたのですが、水素と出会ったのをきっかけにして体質がかわり、毎日をフルに活動できるようになりました。
そこから水素の医学研究や様々な製品にも興味を持つようになり、一般社団法人水素健康推進協会認定講師『水素健康インストラクター』の資格をとるまでになってしまいました。
水素についての情報サイト「スイスピ」(https://suiso-spirit.jp/)運営。
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